富士山周辺のドライブスポット|都内からの日帰りデートにぴったり!
2013(平成25)年、日本国内で17件目の世界遺産に登録された「富士山」。その美しい姿を見ようと、周辺の観光施設には国内外から大勢の観光客が訪れます。
雄大な富士山そのものに感動するのはもちろんですが、富士山の存在感を際立たせる観光スポットも併せて楽しみたいもの。
今回は、ドライブデートを考えている人に向けて、車で行きたい富士山周辺のドライブスポットをご紹介します。

忍野八海

「忍野八海」は国の天然記念物であり、「富士山構成資産」として世界遺産にも認定されています。個性豊かな8つの池は、かつての富士信仰の中心地です。

スポットの特徴
山梨県は海のない内陸の県なので、「八海」といっても本物の海があるわけではありません。忍野八海とは、富士山北麓に位置する忍野村の8つの湧水池のことを指します。

忍野八海の湧水池は、噴火活動によって枯れた湖の跡に、富士山の雪解け水が湧き出たものです。地下の溶岩でゆっくりとろ過された水は非常に透明度が高く、池をのぞくと水底に生えた水草や魚が泳いでいる様子を観察できるほど。環境庁が選定する全国名水百選にも選ばれています。
池の周辺には茅葺(かやぶき)屋根のお店や水車小屋などがあり、素朴な農村の雰囲気が漂います。観光客が賑わう中でも、美しく清らかな里山の風景にどこか懐かしさを感じられるでしょう。
それぞれの池の見どころ
【出口池(でぐちいけ)】
水深は0.5メートル程度と浅いですが、広さは約1467平方メートルあり、忍野八海の中で最も大きな池です。
ほかの7つの池から徒歩で20分以上離れた場所に位置しています。辺りには売店もなく、観光客の数も少なく静かです。池の周囲はほぼ整備されておらず、人の手を加えられていない、湧水池本来の姿を見ることができます。
【お釜池(おかまいけ)】
八海の中で最も小さな広さ約24平方メートルの池ですが、水深は4メートルあります。水底まで見通せるくらいに水が透き通っています。神秘的な青い水底をじっとのぞいていると、引き込まれそうな感覚に陥るでしょう。
【底抜池(そこなしいけ)】
「はんの木林資料館」内、敷地の一番奥にあります(入館料300円が必要)。水深は1.5メートルほど。大楠などの樹木が覆い繁っていて、神秘的な雰囲気です。かつて、この池に落とした洗い物が全て飲み込まれてしまったという伝説が残っています。
【銚子池(ちょうしいけ)】
縁結びの池とされています。昔、厳格な結婚式の最中におならをしてしまった花嫁がそのことを恥じ、銚子(酒を注ぐための器)を抱いて池に飛び込んだという伝説が残っています。水深約3メートルの池底では、砂を巻き上げて水が湧き出しているのを観察することができます。
【湧池(わくいけ)】
土産物屋と水車小屋が建ち並ぶ、八海の中でも賑やかな場所にあるのが「湧池」です。
毎秒2.2立方メートルの水が湧き出す八海一の湧水量と、湧水に揺れ動く美しい水底の景観を誇ります。
【濁池(にごりいけ)】
その昔、池の持ち主であった老婆が、たった一杯の水を求めたみすぼらしい旅の行者を追い返そうとしたところ、水がたちまち濁ってしまったという言い伝えから、池の名前が付いたとされています。
川の水と合流しているため、実際に水が濁っている部分がありますが、それでも一部を除いて水底まで見通せる透明度があります。
【鏡池(かがみいけ)】
鏡池の見どころといえば、池が映し出す美しい景観です。「晴れている」「雲がない」「風がない」など、天気の条件がそろうと、水鏡に美しく映る「逆さ富士」をはっきりと見ることができます。
【菖蒲池(しょうぶいけ)】
池の周囲には菖蒲が群生しています。
月によって湧水量に増減があり、池の水位が変化するので、訪れるたびに違った表情を見られるでしょう。
スポット情報
住所
山梨県南都留郡忍野村忍草
車でのアクセス
・東名高速道路「御殿場インターチェンジ」から国道138号線経由で約45分
・中央自動車道「河口湖インターチェンジ」から約20分
駐車場
周辺に複数の有料駐車場あり
公式サイト
忍野村観光協会公式サイト
http://www.oshino.jp/spot_8lakes.php
花の都公園

富士山を背景に広がる約30万平方メートルの花畑は圧巻です。
花の咲かない冬でも見どころが満載なので、年間を通して楽しめるスポットといえるでしょう。

スポットの特徴
「花の都公園」は、標高1000メートルの地点に広がる花畑です。チューリップやキカラシ(観賞用菜の花)、かすみ草、ポピー、ひまわり、コスモス、百日草といった四季折々の花が、富士山をバックに美しく咲き乱れます。

公園内は有料エリアと無料エリアに分かれていて、花畑は無料エリアに当たります。
有料エリア「清流の里」には全天候型温室の「フローラルドームふらら」があり、温室の中で色とりどりの四季の花や熱帯植物などを観賞することができます。
冬の時期は花畑を楽しむことができないものの、無料エリアには空気が澄んでいる季節ならではの大きな見どころがあります。晴天に恵まれる日が多いため、雲や霧のかからない、雄大な富士山の姿を堪能できるのです。特に、早朝の紅富士とダイヤモンド富士は必見。
さらに、11月下旬から1月中旬までの間は、標高1000メートルの星空とイルミネーションが見事な共演を繰り広げます。
スポット情報
住所
山梨県南都留郡山中湖村山中1650
車でのアクセス
・中央自動車道「山中湖インターチェンジ」から約5分
・東名高速道路「御殿場インターチェンジ」から東富士五湖有料道路経由で約30分
駐車場
収容台数:220台
利用料金:300円/1日
富士スバルライン

「天地の境」(富士山五合目のこと)を目指すドライブルート。標高2000メートルを超える場所からは、どのような風景が見えるのでしょうか?

スポットの特徴
河口湖付近から富士山五合目までをつなぐ約30キロメートルの山岳ドライブルートで、終点は富士山の登山ルート中で最も初心者向けである「吉田ルート」の五合目登山口です。

山岳のパノラマ風景を望みながら森林帯を進むと、標高2305メートルの五合目に到達します。
標高2000メートルを超えたところにある「大沢駐車場」では、眼下に広がる富士五湖と南アルプス連峰、八ヶ岳を一望できます。駐車場にある展望台からは、駿河湾が見えるでしょう。
大沢駐車場を過ぎてさらに進むと、五合目駐車場の2キロメートルほど手前に、厳しい環境に耐えたカラマツなどで構成される「奥庭自然公園」があります。天然記念物のニホンカモシカなど、高所ならではの珍しい動植物も見られるかもしれません。
富士山の自然保護と交通渋滞解消のため、マイカー規制が行われる期間もあります。訪れる際は、あらかじめ規制情報を確認しておきましょう。
スポット情報
住所
起点:スバルライン入口交差点
※行き方の詳細は「車でのアクセス」をご覧ください。
車でのアクセス
・中央自動車道「大月ジャンクション」から「河口湖インターチェンジ」・国道139号線経由で約20分
・中央自動車道「一宮御坂インターチェンジ」から「河口湖大橋」・国道139号線経由で約40分
・東名高速道路「富士インターチェンジ」から西富士道路・国道139号線経由で約65分
・東名高速道路「御殿場インターチェンジ」から国道138号線・東富士五湖道路経由で約40分
公式サイト
西湖いやしの里根場

復活した富士山と青木ヶ原樹海を望む「日本一美しい茅葺屋根の集落」です。
素朴な農村風景の中で癒される、一風変わった観光地を訪れましょう。

スポットの特徴
かつて西湖のほとりには、日本一景観に恵まれた美しい茅葺屋根の集落が存在していました。1966(昭和41)年の台風により、集落は壊滅してしまいましたが、集落をよみがえらせようと、「西湖いやしの里根場」創設事業が開始されました。現在は約20棟の茅葺屋根の民家と水車小屋が再建され、伝統体験を提供する観光施設となっています。

山里の古民家がつくり出す景観には温かさがあり、「いやし」という里の名の通り、心身を休ませて穏やかに過ごせる場所です。それぞれの民家では、陶芸や紙すき、繭(まゆ)人形作り、布小物作りなど、さまざまな体験をすることができる上、地場産品の土産屋もあります。ほうとうや石挽き手打ちそば、季節感のある郷土料理などが食べられる食事処もあり、1日いても飽きることなく楽しめるでしょう。
季節に合わせたイベントが開催されるので、Webサイトで事前にチェックしてみましょう。
スポット情報
住所
山梨県南都留郡富士河口湖町西湖根場2710
車でのアクセス
・中央高速道路「河口湖インターチェンジ」から国道139号線経由で約25分
・中央高速道路「富士インターチェンジ」から国道139号線経由で約90分
・東名高速道路「御殿場インターチェンジ」から国道138号線・東富士五湖道路・国道139号線経由で約75分
・東名高速道路「甲府南インターチェンジ」から国道358号線・国道139号線経由で約50分
駐車場
収容台数:154台
利用料金:無料
河口湖天上山公園 カチカチ山ロープウェイ

「天上山」は、昔話『カチカチ山』の舞台となった場所です。
ロープウェイからの風景と、山頂の大パノラマを楽しみましょう。

スポットの特徴
ロープウェイに乗れば、河口湖近くの天上山(=カチカチ山)の山頂まで、3分間の空中散歩を楽しめます。ロープウェイから望む風景は素晴らしく、夏の緑や秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の絶景の中を進みます。

標高1075メートルの展望台から一望できるのは、富士山と河口湖を望む大パノラマ。天候次第では南アルプスまで見えることもあります。
カチカチ山の物語にちなみ、ゴンドラの上や展望台にはタヌキとウサギの人形がそこかしこに飾られています。
展望台に富士山と向かい合う形で設置されたハート型のフレームは、「天上の鐘」と呼ばれる人気スポットです。ハート型の中央に釣り下げられた鐘を鳴らす回数によって、恋愛成就や家内安全のご利益があるとされています。
河口湖では、1月中旬から2月中旬にかけて、「河口湖冬花火」が開催されます。花火大会の開催日にはロープウェイの営業時間が延長され、計3カ所から打ち上げられる花火を眼下に眺めることができます。天候次第では、湖面に映る「逆さ花火」も見られるでしょう。冬の澄んだ空気の中で花火を観賞するのに絶好のスポットです。
通常は最終運行が17時過ぎまでのため、20時ごろまで下りの運行がある延長営業は、夕日に染まる富士山や山頂の満点の星空、富士吉田市の夜景を見られる貴重な機会です。どうぞお見逃しなく。
スポット情報
住所
山梨県南都留郡富士河口湖町浅川1163-1
車でのアクセス
・中央自動車道「河口湖インターチェンジ」から約15分
・中央自動車道「一宮御坂インターチェンジ」から 国道137号線経由で約40分
・東名高速道路「御殿場インターチェンジ」から東富士五湖有料道路経由で約45分
・東名高速道路「富士インターチェンジ」から西富士道路経由で約45分
駐車場
県営無料駐車場
収容台数:約300台
利用料金:無料
この記事のまとめ

一年に何度でも楽しめる富士山の絶景
年間を通して見どころが満載の富士山や富士山五胡周辺のスポットは、何度でも繰り返し訪れたくなるもの。季節ごとに表情を変える富士山を、四季折々の木々や花々とともに楽しみましょう。
ただし、冬場のドライブで特に標高の高い場所に向かうときは、事前の準備が大切です。富士スバルラインなどでは冬場に通行区間を制限される場合もあるので、出かける前の情報収集をきちんと行いましょう。冬用タイヤやチェーンを用意し、路面の凍結や降雪にしっかり備えてから出発してくださいね。